NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は1月14日,無線LANアクセス・ポイント(AP)の適切な配置を割り出せるソフトウエア「QualityMeister3D Ver.5」を発売する。オフィスのレイアウト図を作りAPの設置予定場所を指定することで,受信レベルやスループットなどのシミュレーション結果を見られるため,電波干渉のない配置位置や使用チャンネルの検討などに役立つ。通信事業者や施工会社,通信機器メーカー,建材メーカーなどに売り込む。

 旧バージョンからの主な変更点は(1)通信チャネルをAPごとに指定,(2)壁が斜めに交差するレイアウトを指定――の2点。従来のバージョンでは,設置を想定するAPのチャネルがすべて同じかすべて違うケースのどちらかしか指定できなかった。また直角でない配置になっている壁は,計算が複雑なためサポートしていなかった。

 上記の新機能により,より詳細な電波干渉のシミュレーションが可能になった。NTT-ATによれば無線LANのチャネルを1,6,11,14に指定すればAP相互の干渉はほとんどない(802.11bの場合)。しかし,無線LANユーザーが多くAPが5台以上必要なオフィスもある。このような場合,QualityMeister3Dを使えばどのチャネルのAPをどこの位置に設置すれば干渉を最小限に抑えられるか,具体的に検討できる。

 QualityMeister3D Ver.5は無線LAN(IEEE802.11a/b)およびPHSのシミュレーションに対応。802.11gの無線APには次期バージョンで対応する予定だ。動作環境はWindows98 SE/Me/2000/XP Professional。価格は338万円である。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション)