日本テレコムは1月6日,元日本IBM副社長の倉重英樹氏の社長就任を発表した。着任は2月の予定。日本人の社長が就任するまで暫定的に社長を務めている現在のロナルド・レメイ社長は取締役として経営陣にとどまる。

 倉重氏は日本IBMの副社長を経て,現在は経営コンサルティングを手がける「IBM ビジネスコンサルティング サービス」の会長を務める。日本テレコムが倉重氏を社長に起用するのは,同社が通信サービスだけでなくソリューション・サービスを強化する戦略の表れともとれる。

 2003年12月に日本テレコムの買収を完了した米投資会社のリップルウッド・ホールディングスは,買収を発表した2003年8月以来,「社長には日本人を起用したい」と表明してきた。リップルウッド関係者によれば,社長候補には国際的なビジネス分野での経験が豊富な経営者3人が挙がった。その中から倉重氏が最終的に社長に就任することになった理由は明かさなかったが,「決定までのスケジュールはほぼ予定通り」(関係者)と選定作業は順調であったことを強調している。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション)