米連邦通信委員会(FCC)は米国時間の12月24日,ブロードバンド回線について2003年6月末時点での集計をWebで公開した。それによれば,ブロードバンド回線の6月末時点での総数は1630万回線。そのうち,ADSL(asymmetric digital subscriber line)は770万回線である。

 ADSL回線の数で日本は,米国や韓国を2003年前半に追い抜いた。日本の6月末時点でのADSL回線数は総務省の集計で約826万回線で,米国の770万回線,韓国の約630万回線を上回った。11月末時点の日本のADSLは991万回線。2003年内に1000万回線を超えるのは確実だ。

 日本は,ブロードバンドの総数でも6月末に韓国にほぼ追いついた。韓国の1110万回線に対して,日本はFWA(固定無線アクセス)も含めて約1100万回線。ただし,米国にはまだ水をあけられている。米国ではCATVインターネットが依然として堅調なためだ。ブロードバンドの増加速度も月50~60万回線と,日本よりも多い。

 最近になって,こうした日米韓の“競争”に急速に追いつき,追い抜く勢いの新顔も登場した。中国だ。中国の「寛帯」(ブロードバンド)回線数は,2003年6月末時点で約900万回線。月60万回線前後のペースで普及が進んでいるため,近い将来,日韓を抜き去り,米国とマッチレースを繰り広げそうだ。2004年は,ブロードバンドでも中国が大国の座につきそうだ。

(野沢 哲生=日経コミュニケーション)