ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC(C&WIDC)は11月25日,2004年4月ころにも企業向けIP電話サービスを開始すると発表した。IP電話専用の050番号を利用するIP電話サービスのほか,既存の電話番号をそのまま利用できるIP電話サービス,PBX(構内交換機)機能をアウトソーシングできるIPセントレックス・サービスなどを一気にそろえる。通話料金を含めたサービスの詳細は2004年2月ころまでに固める。

 現時点では,(1)ADSL(asymmetric digital subscriber line)やFTTH(fiber to the home)などブロードバンド回線を使ったIP電話サービス,(2)広域イーサネットを企業の内線網として利用するIPセントレックス・サービス,(3)インターネット接続事業者(プロバイダ)向けIP電話の相互接続サービス--の三つを計画している。

 インターネットのアクセス回線を利用する(1)は,東西NTTが提供する加入電話に代えて利用できるサービス。ただし,電話番号はIP電話専用の050番号に変わる。C&WIDCはインターネット接続回線として広域イーサネットを利用するユーザー向けにも,IP電話サービスを提供したい考え。この場合は,既存の電話番号をそのまま利用できるようにサービスの詳細を検討している。

 広域イーサネットを内線網として利用する(2)は,PBXを設置することなくあらかじめ設定した内線番号で通話したり,外線と発着信できるサービス。PBXに相当する機能は,C&WIDCのデータ・センター内に設置した専用機が提供する仕組み。外線発着信には,既存の電話番号をそのまま利用できるようにする予定。また,一つの企業で(1)の拠点と(2)の拠点が混在するネットワークを構築した場合でも,相互に内線通話できるように検討している。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)