東京電力は11月20日,同社の光ファイバ・ネットワークを利用したブロードバンド・サービス「TEPCOひかり」に,最大30Mビット/秒の無線アクセス・サービス「5GHz無線タイプ」を追加すると発表した。集合住宅の住人を対象に12月1日に開始する。

 同サービスは,モバイル・ユーザー向けの無線LANアクセス・サービスとは異なり,住宅など建物に,無線の子機を固定的に設置して提供するいわゆるFWA(fixed wireless access)サービス。5GHz帯無線を使って実現する。

 通信速度は最大30Mビット/秒。以前,東京電力の子会社「スピードネット」が提供していた2.4GHz帯無線アクセスの最大1.5Mビット/秒の20倍と,格段に高速化した。ただし,実際には30Mビット/秒を集合住宅の住人で共有することになる。

 料金は,東京電力が提供するインターネット接続サービス「POINT」を無線アクセスと組み合わせた場合で,月額3550円。アンテナや宅内ユニットのレンタル料月額500円と合わせると,月額4050円となる。これは,東電が光ファイバとVDSL(very high bit rate digital subscriber line)でマンション向けに提供している有線タイプのサービスと同額である。

 無線のメリットは,有線タイプと違いマンション内の電話線の工事などが不要である点。「管理組合の意向などで有線タイプのサービス提供が難しいケースでの利用が中心になる」(東京電力)という。

 POINT以外のインターネット接続サービスでは,「@nifty」,「BIGLOBE」,「ASAHIネット」,「ODN」,武蔵野三鷹ケーブルテレビの「ParkcityNet」などが利用できることが決まっているが,サービス開始時期や料金は未定である。

(野沢 哲生=日経コミュニケーション)