NTT東西地域会社は11月14日,同社が提供する企業ユーザーを対象としたIP電話サービス「法人向けIP電話サービス」に対応したVoIP(voice over IP)ゲートウエイ「Netcommunity VG2300」の出荷を開始した。価格は155万円。東西NTT各社とも,今後1年間で2000台の販売を見込んでいる。

 VG2300は,ユーザーが使っている既存のPBX(構内交換機)とIP電話サービスを利用するためのアクセス回線の間に設置する。IP電話サービスが提供している発着信,発信元電話番号表示,転送,代表着信などのサービスをPBXが認識できるように信号を変換する。PBXとの接続インタフェースは,最大23台の電話機で同時に発着信できるPRI(1次群インタフェース)を1ポート備える。23台以上の電話機で同時に発着信させたい場合は,複数台のVG2300を設置する必要がある。

 法人向けIP電話サービスは,企業ユーザーの利用を想定したIP電話サービス。東西NTTが10月22日に開始した。特徴は,「03-xxxx-xxxx」といった既存の電話番号をそのまま利用できること。また,内線代表や内線転送などのPBX機能をオプションで追加できる。基本料金は月額8万円から。通話料は,同じ契約者グループ内なら無料。異なる契約者グループとの通話は,県内で3分当たり6円,県外で同10円かかる。従来の電話回線に代わって,広域イーサネット・サービスをアクセス回線として利用する。このため同サービスを利用するには,NTT東日本の「メトロイーサ」,NTT西日本の「アーバンイーサ」の100Mビット/秒メニューの契約が別途必要となる。

 同社は,プロバイダ各社がフレッツ・ADSLとBフレッツ向けメニューで提供している企業向けIP電話サービスに対応したVoIPゲートウエイも,同時に出荷を開始した。最大2台の電話機で同時通話できる「Netcommunity VG210」,最大4台の電話機で同時通話できる「Netcommunity VG400a」,「Netcommunity VG400i」の3モデルがある。価格は210が3万9800円,VG400aとiが5万9800円。対応する企業向けIP電話サービスは,NTT-MEの「XePhionコールPro」,NTTコミュニケーションズの「OCN. Phone Office」の二つ。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)