NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は11月11日,会社更生法の適用を申請しているクロスウェイブ コミュニケーションズ(CWC)の再建を支援すると正式発表した。同日CWCの管財人との間で基本合意に達した。CWCの大半の事業を,約100億円で営業譲渡の形で引き受ける。今後本格的な買収監査を実施し,年内にも最終契約を締結する。

 CWCは,1998年にインターネット イニシアティブ(IIJ)やソニー,トヨタ自動車が設立した第一種電気通信事業者。日本初の広域イーサネット・サービス「広域LANサービス」を提供している。一方のNTTコムも,自社の広域イーサネット・サービス「e-VLAN」を提供中。両社のネットワークは最終契約締結後に統合する。CWCがKDDIから借りているダーク・ファイバも,順次NTTコムのネットワークに切り替える。

 NTTコミュニケーションズの鈴木正誠社長は「企業向けデータ通信の料金競争は激しさを増している。CWCの持つネットワークや顧客基盤を獲得すれば,スケール・メリットが得られると判断した」と,CWCを支援する狙いを説明した。

(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)