短距離無線規格「Bluetooth」の標準化を手がける業界団体のBluetooth SIG(special interest group)は11月7日,最新規格「バージョン1.2」を正式に承認したことを明らかにした。従来規格のバージョン1.1を規定した2001年2月以来のバージョンアップである。対応製品は2004年初めにも登場する見込みだ。

 バージョン1.2は,バージョン1.1の技術的な課題をつぶしてユーザーの使い勝手を向上させるためのマイナー・チェンジと言える。具体的には(1)Bluetooth端末同士の接続時間短縮,(2)音声通話時のエラー訂正機能向上,(3)2.4GHz帯無線LANなど同一周波数帯を使う他の無線システムへの干渉軽減――のための機能を盛り込んだ。

 (1)は端末の認証などにかかるネゴシエーション手順を見直して実現した。(2)は携帯電話とヘッドセットを接続して通話する際などで通話品質を向上させる。(3)は無線LANとBluetoothの併用時にスループットが落ちるのを防ぐ。

 Bluetoothは,携帯電話やPDA(携帯情報端末),ノート・パソコンなどのモバイル端末同士をつなぐための無線インタフェース規格。米IBM,米インテル,スウェーデンのエリクソン,東芝,フィンランドのノキアなどが中心となり,標準化や世界的な普及促進に取り組んでいる。ただし登場当初は機器同士の相互接続性が低かったこともあり,これまでは本格普及に至っていない。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)