情報通信技術委員会(TTC)のスペクトル管理サブワーキンググループ(SWG)は10月17日,第4回会合を開催した。これまで最大1Mビット/秒で止まっていたADSL(asymmetric digital subscriber line)の上り(ユーザーからNTT局方向)速度を高速化する技術について,各社の提案を基に検討を進めた。

 TTCのスペクトル管理SWGは,ADSLの干渉問題を議論する場。NTT東西地域会社の電話線で新サービスを提供するには,スペクトル管理SWGでの干渉計算と承認が必要。サービス化に向けて,各社が準備を始めているわけだ。

 ソフトバンクBBは,「PtoP(peer to peer)を使うユーザーが増え,上りの高速化ニーズが大きくなってきた。下りが最大50Mビット/秒になっても,上りが最大1Mビット/秒では問題」と主張し,早期に承認作業を進めるように促した。

 ソフトバンクBBと半導体メーカーの米グローブスパンビラータは,下り50Mビット/秒,上り3Mビット/秒の技術について干渉計算結果を提出。この結果によると,NTT局から3.25km以内なら自由に利用できる。今後,確認のために他の企業も干渉計算を実施し,承認手続きが進む見込みである。同様に,アッカ・ネットワークスや半導体メーカーの米センティリアム・コミュニケーションズなども,上りを3Mビット/秒以上に高速化した技術に関する提案を出した。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)