韓国サムスン電子,韓国LG電子が11日からスイスのジュネーブで開催されている「ITU WORLD TELECOM 2003」において,複数の第3世代携帯電話(3G)方式に対応する携帯電話機を出展して注目を集めている。

 サムスン電子は1xEV-DO(1x evolution-data only)とW-CDMA(wideband code division multiple access)の第3世代携帯電話(3G)両方式に対応した携帯電話を展示。韓国のSKテレコムのインフラ向けに開発したもので年内の出荷を目標にしている。現在,韓国のSKテレコムやKTFは1xEV-DOに準拠した3Gサービスに続き,W-CDMAに準拠した3Gサービスも一部の都市部で試験提供を始めている。採用しているチップのベンダーは明らかにしていないが,1xEV-DOとW-CDMAそれぞれに対応するチップを組み込んでいる。「1xEV-DOかW-CDMAかはエリアに応じて自動的に切り替わる」(サムスン電子)。

 一方,LG電子はCDMA2000 1xとW-CDMAのデュアル・モード端末「KW2000」を出展。現在KTFでβテストの段階という。さらに「1xEV-DOとW-CDMAのデュアル・モード端末も2004年の4~6月中に出荷する」(LG電子)。また,W-CDMA方式の欧州での呼び名であるUMTS(universal mobile telecommunications system)と第2世代携帯電話方式のGSM(global system for mobile communications),GSMに高速パケット通信を付加するGPRS(general packet radio service)の3モードに対応した端末「U8150」を参考出展している。どちらの端末も米クアルコムのチップを採用した。

(閑歳 孝子=日経コミュニケーション,ジュネーブ発)