米マイクロソフトと英ボーダフォンは10月13日,携帯電話のデータ・サービスの開発に関して提携を発表した。11日からスイスのジュネーブで開かれている展示会「ITU TELECOM WORLD 2003」の基調講演でマイクロソフトのビル・ゲイツ会長が公表し,3000人以上いた観客を驚かせた。

 マイクロソフトがボーダフォンの携帯電話サービスに対し,XML(extensible markup language)ベースのWebサービス・ソリューションを提供する。Webサービスを利用することで,メッセージングや位置情報,課金などの携帯電話の仕組みをパソコンのアプリケーションとして組み込めるようになる。

 ゲイツ会長の講演では,車のタイヤがパンクしてレッカー会社に修理を求める様子のデモを披露。携帯電話から電話で助けを求めると,レッカー会社のオペレーターがパソコン上でユーザーの位置を知り,ユーザーから最も近くにいる作業員に対して連絡を取る様子を見せた。「Webサービスを使えば,携帯電話とパソコンがシームレスに情報をやり取りできる」(ゲイツ会長)。

 今回のTELECOMでは,マイクロソフトが携帯電話市場でも覇権を狙うべく力を入れている様子が見て取れる。マイクロソフトのブースでは,マイクロソフトの携帯電話向けOS「Windows Mobile」を搭載したオレンジ・グループの新端末「SPV E200」を展示。来場者の注目を集めている。

(閑歳 孝子=日経コミュニケーション,ジュネーブ発)