カシオ計算機は,11月25日に新設する東京都八王子市の八王子技術センターにIP電話システムを導入する。沖電気製のIP-PBXを採用し,およそ130台のIP電話機とおよそ700台のPHSを配置する予定。

 以前,初台本社のIP電話システム導入を検討した際には「LAN刷新コスト,IP-PBXとIP電話機の購入コストの合計を試算したところ,2億5000万円かかることが判明し見送った」(業務開発部情報技術グループの国吉典仁グループリーダー)経緯がある。八王子技術センターでIP電話システムのノウハウを蓄積し,今後他拠点のPBX更改時にIP化するかどうかの参考にしたい考えだ。

 外線電話に法人向けBBフォンを採用。申し込み直近の月額通話料金から20%引きの定額料金となるプランを利用して,外線電話料金の削減を狙う。ただし,BBフォンはあくまでも発信用という位置付け。受信と110番や119番など特番への発信用にNTT東日本の電話回線を残す。業務開発部情報技術グループの中村彰宏氏は,BBフォンの導入について「音声品質のテストも兼ねている。品質が良ければ他拠点にも導入したい」と期待を語った。

 他拠点へのIP電話システム導入について「将来のIP電話本格導入に備え,データ系ネットワークを高速化している」(中村氏)と準備を進めていることを明かした。

(白井 良=日経コミュニケーション)