スイスのジュネーブで開催中の展示会「ITU WORLD TELECOM 2003」では,NECや米インテル,米フォースが通信プラットフォームの標準規格「Advanced TCA」に準拠した製品を展示して注目を集めている(写真)。Advanced TCAはシャーシ型のきょう体を持つハードウエアの仕様で,他社製品でもモジュールとして自由に組み合わせて使えるようにする。

 Advanced TCA対応製品は,インテルのブースにまとめて展示されていた。Advanced TCA準拠のハードウエアにシャーシ型のスイッチやコントローラを差し込んである。NECは,2.5世代の携帯電話規格であるGPRS(general packet radio service)のパケット網を構成するノードとしての利用を想定。Advanced TCA上で使うOSには,通信事業者向けに開発されたLinuxを採用した。既にNECは,NTTドコモへの出荷を明らかにしている。

 Advanced TCAのメリットは,「低コストかつ拡張性が高いこと」(インテル)。共通の仕様を使うことで,ベンダーにとっては開発にかかる期間とコストを削減できる。ユーザーである通信事業者や企業にとっても,一度ハードウエアを購入すれば必要な帯域に合わせてモジュールを買い替えて対応できるため,投資が少なくて済む。さらに,さまざまなベンダー製品を自由に入れ込むことができるため,選択肢が広がるという。

 Advanced TCAは,PICMG(PCI Industrial Computer Manufactures Group)フォーラムが策定した規格。PICMGフォーラムには,米インテルや米IBMなど105社が参加する。

(閑歳 孝子=日経コミュニケーション,ジュネーブ発)