NECは,11日からスイスのジュネーブで開催されている通信の総合展示会「ITU TELECOM WORLD 2003」において欧州・中国向けのデュアルモードに対応した携帯端末を公開した(写真)。2種類あり,「e616」が欧州向け,「c616」が中国向け。既に発売済みの「e606」の後継機に相当する。e616とc616は,表示する言語の違いなどを除けば,基本仕様は同一だ。

 主に日本・欧州で使われる第3世代携帯電話であるW-CDMA(wideband code division multiple access)と,欧州の第2世代携帯電話の規格GSM(global system for mobile communications)の両方式に対応。欧州ハチソンと中国ハチソンのサービスで使えるようになる。前機種に当たる「e606」に比べ,マルチメディア機能を強化した。MP3を再生できるほか,メモリースティックDuoのインタフェースを備え,拡張性を高めた。

 ただし,待ち受け時間が短いことに課題が残る。カタログ上のスペックでは,W-CDMAモードの場合で最大120時間,GSMモードの場合で最大145時間である。

(閑歳 孝子=日経コミュニケーション,ジュネーブ発)