東西NTTは10月9日,同社の固定電話から050番号を持つIP電話への通話サービスを10月23日に開始すると発表した。東西NTTの加入電話,ISDN,公衆電話などから発信して,050番号に電話ができるようになる。これまで,固定電話への発信だけしかできず,実際にダイヤルする機会がほとんどなかった050番号だが,これでようやく連絡先電話番号として使えるようになる。

 今回,050番号で固定電話からの電話を着信できるようになるのは,NTTコミュニケーションズ,NTT-ME,ソフトバンクBB,KDDI,日本テレコム,フュージョン・コミュニケーションズ,パワードコム,ぷららネットワークスの計8社と,その各系列のIP電話サービス。東西NTTが,固定電話のネットワークとこれらIP電話事業者のネットワークを相互接続することで実現する。

 電話料金は,着信先のIP電話事業者によって異なる。3分10.4円であるのが,NTT-ME。3分10.5円が,ソフトバンクBB,フュージョン,ぷららの3社。そして残り4社は,3分10.8円。IP電話から加入電話へかける際の電話料金の多くが,3分8円であるのに比べかなり割高だ。公衆電話からIP電話への着信の場合,10円でかけられる時間は,18秒~19秒である。

 固定電話から050番号への着信ができるようになることで,IP電話から固定電話へ発信する際に利用できる付加サービスも増える。例えば,発信者番号表示がその一つだ。IP電話サービスの使い勝手が増すことで,事業者間の相互接続に拍車がかかりそうだ。

(野沢 哲生=日経コミュニケーション)