ADSL(asymmetric digital subscriber line)事業者のイー・アクセスは10月3日,東証マザーズに上場した。これを機に,千本倖生社長兼CEOなど役員が会見を開いた。千本社長は,「ADSLのユーザー数は880万になったが,まだまだ飽和していない。韓国並みに普及率が上がれば,2000万,3000万加入に届く」と意気盛んだった。

 低料金と派手なキャンペーンで攻勢をかけるソフトバンクBBの影響については,「ソフトバンクBBが低料金で参入したからこそ,ADSLの市場が活性化した。さらに,ソフトバンクBBに対抗できる料金を実現するため,採算性を重視した経営体質を作れた」とプラス面を評価。ソフトバンクBBは2002年8月にイー・アクセスの小畑至弘CTOを営業妨害で訴え,今年4月に取り下げたという経緯があるが,ここでは触れなかった。

 また,イー・アクセスは上場直前の10月1日に,最大40Mビット/秒の新サービスを発表した。この狙いについて千本社長は,「上場を意識したわけではない。NTT局から遠いと速度は落ちるが,今までにない速度向上のメリットがあるユーザーもいる」(千本社長)とユーザーのメリットを強調した。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)