イー・アクセスは10月1日,下り速度が最大40Mビット/秒,上りが1Mビット/秒のADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「ADSLプラスQ」を11月5日から提供開始することを発表した。上り最高1メガは既存の8/12/24メガと同じだが,下りの最高速度は大幅に向上する。ただし,高速化の恩恵にあずかれるのは収容局から1km以内にとどまりそうだ。

 提供エリアは現在提供中の12メガ,24メガADSLと同一エリア。ユーザーには,日本テレコム(ODN),KDDI(DION),ニフティ(@nifty),NEC(BIGLOBE),パワードコム(Powered Internet)などのインターネット接続事業者(プロバイダ)を通じて提供される。価格は「24メガADSLサービスに数百円加算する程度」(イー・アクセス)の見込み。受付開始日やサービス提供開始日と共に,10月中にもプロバイダ各社から発表される予定。

 ADSLプラスQでは,下りで利用する周波数帯域の上限を現在の2.2MHzから3.75MHzまで拡張した「クアド・スペクトラム」を採用。フレーム処理技術を「s=1/4」から「s=1/8」とする。この方式はまだ標準化されていないが,10月のITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)会合にて標準化を議論する見込み。情報通信技術委員会(TTC)がADSLの干渉ルールを定めた「スペクトル管理標準」ではすでに認可されている。

(山根 小雪=日経コミュニケーション)