米投資会社のリップルウッド・ホールディングスは10月1日,買収を進めている日本テレコムの新経営陣となる取締役候補者を発表した。日本テレコムの現社長であるウィリアム・モロー氏の後任については,「日本人の予定で人選を進めており,数カ月中に決める」(リップルウッドのジェフリー・ヘンドレン マネージング・ディレクタ)と言う。

 同社が新たに決定した取締役候補者は,(1)米通信事業者であるスプリントの前CEO(最高経営責任者)ウィリアム・エズレー氏(写真中央)と,(2)同じくスプリントの前COO(最高執行責任者)であるロナルド・レメイ氏(写真右),(3)リップルウッドの最高経営責任者のティモシー・コリンズ氏,(4)同社のマネージング・ディレクタであるジェフリー・ヘンドレン氏(写真左)--の4人。エズレー氏は,日本テレコムの買収が完了した後,取締役会議長に就任する予定。

 エズレー氏とレメイ氏は,米国の地域通信事業者だったスプリントを国際的な通信事業者に大きく成長させた実績を持つ。エズレー氏は会見の中で,「日本テレコムをスプリントと同じように変貌させる」と宣言したが,その戦略については,「他事業者との差異化と,選択と集中が重要だ」(エズレー氏)と具体的には明かさなかった。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション)