日本テレコムは9月29日,IP-VPNサービス「SOLTERIA」(ソルテリア)のメニューを拡充すると発表した。特に,ADSL(asymmetric digital subscriber line)や東西NTTのATM(非同期転送モード)サービス「メガデータネッツ」など,低価格のアクセス回線の機能を重点的に追加した。

 具体的な新メニューは,(1)ADSLモデム・ルーターの機能拡張,(2)ADSLモデム・ルーターの予備機の提供,(3)ADSL回線の対応ルーティング・プロトコルに「BGP-4」(border gateway protocol version 4)を追加,(4)対応ルーティング・プロトコルに「OSPF」(open shortest path first)を追加,(5)メガデータネッツ回線の品質向上――になる。

 ADSLモデム・ルーターは機能を一新。ネットワーク管理用プロトコルであるSNMP(simple network management protocol)などに対応する。ADSLモデム・ルーターの予備機の提供は,復旧時間を短くしたいユーザー向け。あらかじめ,ユーザー宅に予備のADSLモデム・ルーターを置いておき,使用中の機器が故障した際には迅速に交換できるようにする。

 対応するルーティング・プロトコルを拡張する。これまでBGP-4だけに対応しており,それもADSLでは使えなかった。新たにADSLでBGP-4に対応したほか,専用線とメガデータネッツでOSPFを使えるようになった。OSPFはBGP-4よりも企業向けであり,BGP-4しか使えないことはこれまでIP-VPNサービスの大きな弱点だった。

 メガデータネッツをアクセス回線に使った場合に優先制御サービス「アクセスQoS」を追加する。帯域を50%保証する場合だけの提供になる。ふくそうを防ぐため送信側トラフィックの転送速度を制限する「MCR(minimum cell rate)シェーピング」サービス,を新たに一部帯域保証の回線でも利用できるようにした。

 OSPF対応は10月31日から。これ以外は,9月30日からサービスを提供する。

(閑歳 孝子=日経コミュニケーション)