日本テレコムの買収を決めた米リップルウッド・ホールディングスが,経営再建中のクロスウェイブ コミュニケーションズ(CWC)の買収交渉から離脱したことが明らかになった。日経コミュニケーションの取材に対して,日本テレコムのウィリアム・モロー社長が明言した。

 モロー社長によると,CWCの経営再建を支援するスポンサーとしてリップルウッドは日本テレコムと連名で入札に参加。だが,入札価格を設定するための十分な情報が入手できず,期限までに買収価格を掲示できなかった。「結局,今回はこれ以上は交渉を進められなかったため,買収を断念する結論を出した」(モロー社長)。

 一方,リップルウッドは9月22日,日本テレコムの新経営陣体制作りの一環として,米長距離通信事業者スプリントのウィリアム・エズレー前会長とロナルド・レメイ前社長と協議中であることを認めた。両氏のほか,日本人を含む他の候補者とも協議中であるとし,最終的な合意が成立した段階で発表する。「新体制が内定するのは,9月末の見込み」(リップルウッド関係者)としている。

(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)