NTTドコモが開発した超小型基地局(円内)

 NTTドコモは9月19日,第3世代携帯電話サービス「FOMA」のサービス・エリア拡大戦略を発表した。これまで「電波が届いていない」とユーザーの不満が多かったビル内や地下街など屋内エリアへのサービス展開を急ぐ。2004年3月末までに全国約1600カ所の屋内エリアをカバーし,2005年3月末には約3000カ所へ広げる計画である。

 同社は屋内エリアを効率的にカバーするために,(1)屋内用の超小型基地局を設置する,(2)アンテナ設備だけを設置する,(3)屋内用アンテナからの電波出力を高める--という複数の手法を使い分ける。

 (1)の超小型基地局は,幅30cm×奥行き20cm×高さ40cmで,現行のFOMA基地局と比べて約1/30の大きさに収めた(写真)。こうした小型基地局を屋内エリアに多数設置していく。

 (2)は小規模のビルや地下鉄駅などに,設置場所をとらないアンテナ設備だけを設置し,複数のアンテナ設備を近くの大型基地局に集約する形態をとる。(3)は,屋内用アンテナからの電波出力を高めることで,ビル内部をカバーするために必要なアンテナの数を減らすというものである。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)