ADSL(asymmetric digital subscriber line)事業者のイー・アクセスは1日に臨時取締役会を開き,10月3日に東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場することを決めた。上場に伴う新株発行で約49億円の資金調達を見込んでおり,主にADSL事業の設備投資や銀行借入金の返済に充てる計画だ。イー・アクセスは2002年11月にもマザーズへの上場を発表したが,市況が悪いことなどを理由に上場を延期していた。

 イー・アクセスは今回の上場で,4万株を一般募集で新規発行するほか,発行済み株式のうち最大6000株を市場に売り出す。1株の発行価額は12万~15万円を見込んでいる。新株発行で見込む調達額49億円強のうち,10億円強はADSL設備の投資に,8億5000万円は借入金の返済に,30億5000万円は設備のリース料支払いといった事業運転資金に充てる計画だ。

 同時に,2004年3月期の業績見通しを公表した。それによると売上高は前年度比約1.9倍の383億円と拡大し,経常損益は53億円の損失から4億円の利益と初めて黒字に転換する。純利益は4億円で,1株当たりでは3000円弱となる。

(玄 忠雄=日経コミュニケーション)