インターネット技術の標準化機関IETF(Internet Engineering Task Force)は米国時間の8月27日,次世代インターネット・プロトコルのIPv6の実験用ネットワークを2006年6月6日に停止することをRFC(requests for comment)という正式文書にまとめた。6bone用IPv6アドレスの新規割り振り作業も,2004年1月に停止する。

 商用のIPv6ネットワークやIPv6対応の通信機器製品が増える中,実験用ネットワークはその役割を終えたというのが理由である。

 6boneは96年以降,大学や研究機関を中心に拡大してきたIPv6の実験・研究開発用ネットワーク。参加団体・組織数は,現時点で1168に上る。日本からは,大学やメーカーの研究機関,大手通信事業者など51組織・団体が接続している。

 商用のIPv6ネットワークとは世界各地のIX(インターネット相互接続点)で相互接続されているが,6boneは128ビットのIPv6アドレスのうち最初の16ビットが「0011111111111110」(16進数表記では「3ffe」)で始まる点で区別できる。

 今回IETFがRFCにまとめた運用停止までのスケジュールは,(1)2004年1月1日に6bone用IPv6アドレスのIANA(Internet Assigned Numbers Authority)による新規割り振り作業を停止する,(2)2006年6月6日以降,インターネットでの6bone用IPv6アドレスの一切の利用を禁止する――というもの。ネットワーク管理者には,停止日以降は,6bone用アドレスを使った通信をフィルタリングすることまで要求している。

(野沢 哲生=日経コミュニケーション)