マイクロソフトは8月20日,世界的に大流行しているワーム「MSBLAST.A」の対策CD-ROMを無償配布すると発表した。修正パッチだけでなく,セキュリティ・ベンダー各社の駆除ツールも同梱する。量販店などセキュリティ・ベンダー各社の販売ルートを利用して,約20万枚を配布する予定だ。

 MSBLAST.Aは米マイクロソフトのOS「Windows NT4.0,同2000,同XP,同Server2003」のセキュリティ・ホールから感染する。感染するとネットワークにつながっているだけで,コンピュータが異常終了する。マイクロソフトは通常,ネットワーク経由で修正パッチを配布しているが,その方法だとパソコンを2台以上所有しない個人ユーザーにはウイルス駆除は困難。今回のCD-ROM配布はこのようなユーザーが対象である。

 マイクロソフトの東貴彦経営戦略担当は「配布するCD-ROMは,ネットワークに接続できなくなったユーザー向けの緊急避難策。ウイルス対策ソフトを導入した上,セキュリティ・ホール対策パッチをこまめに当てるようにして欲しい」と強調した。

(白井 良=日経コミュニケーション)