日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開催中の「NetWorld+Interop 2003 Tokyo」(N+I)で2日,慶応義塾大学の村井純・環境情報学部教授が基調講演を行った。その中でIPv6について触れ,IP電話やインターネット対応家電が普及し自動車などのインターネット対応が進むことで,IPv6の重要性がますます高まると強調した。

 村井教授は「インターネットの夢と現実:これからの10年」と題したこの講演で,「パソコンやサーバーだけでなく,家電や自動車などすべてのものがIPネットワークでつながる“自律ノード時代”が現実になっていく」と指摘。2002年に名古屋でタクシー会社と実施したフィールド実験の結果を引き合いに,タクシーのワイパーの動きを基に天気予報の精度を上げたり,方向指示器の状態によってネットワーク側で渋滞状況を把握するなど,自律ノード時代の具体的なイメージを紹介した。

 その上で「こうした自律ノードの時代では,グローバルIPアドレスをどう使うかが最重要の課題になる。とりわけ自動車など動き回る端末を管理するには,端末に割り振ったグローバルのIPv6アドレスを,無線・有線ネットワークにかかわらずシームレスに使えるモバイルIPv6技術が正統な解決策だ」と語った。