平成電電は,NTT東西地域会社のドライ・カッパー(通信事業者が電話の銅線を伝送媒体としてそのまま貸し出す形態)を使う直加入電話「平成電話」を7月1日に開始する。通話料は,当初の計画通り全国一律3分6.8円と,IP電話を含めても最安値となる。当初のサービス提供地域は関東や近畿など17都府県だが,10月にもサービス提供地域を全国規模に広げる考えだ。

 平成電話は,ドライ・カッパーと自社で構築した電話交換網を使う。加入者線を収容するNTT電話局にはRT(remote terminal)だけを置き,中継交換機も3台に抑えるなど電話網の低コスト化を徹底して低料金を実現した。サービスの提供計画は4月に発表しており,東西NTTからドライ・カッパーを調達するための接続交渉がほぼまとまったため,7月1日からのサービス開始を決定した。

 平成電話は,固定電話から携帯電話への通話サービスも3分49.5円と,他社の同60円を下回る料金で提供する。警察や消防などの緊急電話をはじめとする3けた番号サービスへの発信は現在接続交渉中。まず8月に,110番への通話が実現する見込みという。

(玄 忠雄=日経コミュニケーション)