NTT東西地域会社が,全国通信の可能なIP網を共同構築する構想を練っている。両社がフレッツ回線向けに構築した地域IP網とは別に,新たに構築する方針である。

 東西NTTの幹部によると,新IP網はトンネリング・プロトコルを使わないIP網とする。さらに,網内で利用するIPアドレスをIPv6ベースにする考えだ。これらの特徴は,NTTグループの次世代ネットワーク構想「RENA」(resonant communication network architecture)が掲げる仕様と一致する。

 現段階では,東西NTTは新IP網の構築時期などを明らかにしていない。ただ,全国通信が可能な新IP網で,IPビデオ電話やIP-VPN(仮想閉域網)などのサービスが提供されれば,フレッツ回線ユーザーの利便性が飛躍的に高まりそうだ。半面,KDDIなどの中継サービスを提供する通信事業者には,確実に打撃を与える。競合事業者が反発する可能性は高い。

(島津 忠承=日経コミュニケーション)