三菱電機の関連企業であるアイピートークは,2003年10月をめどに無線LANに対応したVoIP(voice over IP)携帯電話機の提供を始める。同社は既に2002年に,コンパクトフラッシュ型の無線LANカード装着して使うタイプのVoIP携帯電話試作機を開発しているが,今回は実際の販売にこぎ着けた。

 端末はIEEE802.11b方式の無線LAN機能を内蔵し,端末単体で電子メールの送受信やWeb閲覧が可能。連続待ち受け時間は数十時間,連続通話時間は数時間程度。端末価格は現在検討中である。

 アイピートークは,VoIP携帯電話機をまず建設現場や工場,オフィス・ビルの内線電話機として販売したい考え。加えて,IP電話サービスや無線LANアクセス・サービスを手がける通信事業者にも端末の採用を働きかけていく。

 VoIP携帯電話機の分野では,アイピートークに先駆けてネットワーク機器大手の米シスコ・システムズが7月に日本で「Cisco Wireless IP phone 7920」を販売する予定。その後さらに数社が参入する模様で,市場は一気に活気づきそうだ。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)