au(KDDIと沖縄セルラー電話)は6月下旬から,携帯電話機に届く迷惑メールを防止するため,抜本的な対策を実施する。これは,au携帯電話機が持つショート・メッセージ機能「Cメール」を使った迷惑メールを防ぐ措置。“迷惑Cメール”は4月ころから徐々に増え,問題となっていた。

 Cメールは,au携帯電話機のインターネット・メール機能とは異なり,アドレスに電話番号を使う。このため,第3者にアドレスを推察されやすい。しかし,Cメールは基本的にau携帯電話機からしか送信できないため,従来は迷惑メール事業者に悪用されることは少なかった。

 ところが,auは昨年度に次々と,インターネット・メール機能の迷惑メール対策を強化した。その結果,対策の比較的弱いCメールが皮肉にも狙われるようになったのである。

 auはまず6月23日に,Cメールの同報サービスを廃止する。また,他社の携帯電話やPHSを使ってauの音声応答装置に接続した後,プッシュ信号を使ってメッセージをCメール対応機に送信できるサービスも止める。

 また6月下旬から,迷惑メール対策部署の人数を増強。迷惑メールの受信者からの申告を受けて実態を調査し,通信停止措置を施すまでの時間を短縮する。

 さらに,今後発売するau携帯電話機に順次,Cメールの受信フィルター機能を搭載する。これは,最大10件まで電話番号を登録できるようにし,それらの番号から送られてきたCメールを自動的に破棄するもの。早ければ7月に発売する「A5306ST」と「A1303SA」に実装する。

 auは抜本対策に先立ち,6月13日に“迷惑Cメール”の送信に使われていた携帯電話298回線(25契約)を停止した。この回線は,「迷惑Cメールを受信したユーザーから申告があった後,送信を止めるように警告したが,聞いてもらえなかったもの」(KDDI)。6月16日にも,99回線(4契約)を止めている。