米アトランタで開催中の「SUPERCOMM」(会期:6月1日~5日)で,NTTが有料のコンテンツ配信に向けたプロトコルを初出展した。同社が加盟する「BCD Forum」(broadband content delivery forum)のデモ・ブースで出展したもので,通常のIPマルチキャスト・プロトコルに,ユーザーの認証機能を追加した。NTTグループでの利用を想定しているほか,技術は無償で他事業者にも公開していく。

 一般のIPマルチキャストは,端末が映像などのストリーミング・メディアを受信する際に,「IGMP(internet group management protocol)」と呼ぶプロトコルを使う。網側に「ジョイン・メッセージ」を送って,エッジに置かれたルーターから映像ストリームを受け取る。ただし,ユーザーの認証機能がなく,ルーターから特定ユーザーに限ってストリームを配信する手段がなかった。

 そこでNTTは,ユーザーの認証情報を網側に伝えるプロトコル「IGAP(internet group authentification protocol)」を独自開発。認証情報を受け取ったルーターが,RADIUSサーバーなどを使って,ユーザーにストリームを送り出すかどうかを判断する。

 デモでは,テレビ受像機とセットトップ・ボックスを使い,受信許可を持つユーザー端末には映像が,持たないユーザーには画面に注意を促すメッセージが出るというデモンストレーションを実施した。

(玄 忠雄=日経コミュニケーション)