企業向けLAN(local area network)製品などを手がけるディアイティは5月22日,IEEE802.11gに対応した米プロキシムの無線LANの新製品を発表した。販売時期は,「IEEE802.11g正式承認後の6月下旬」(ディアイティ)になる見込み。

 新製品は4種類。パソコンに差し込むクライアント用のPCIカード型製品が一つ,単体のアクセス・ポイント(AP)製品が一つ,同社の既存のAP製品のスロットに差し込んで11g対応にアップグレードするカード型製品が二つである。

 パソコンに差し込むPCIカード型製品の名称は「ORiNOCO 802.11a/b/g PCI Card Gold」。販売予定価格は2万2800円である。単体のAPの製品名は,「ORiNOCO AP-600g」。同6万4800円である。

 アップグレード用のカード型製品は二つある。すでに販売しているAP「AP-2000」と「AP-600」に差し込んで11g対応にするものだ。価格は,AP-2000のスロットに差し込むPCカード型の「AP-2000 802.11b/g Upgrade Kit」が2万4800円。AP-600のミニPCIスロットに差し込む「AP-600b/g Upgrade Kit」が2万1800円である。

 7月以降は,セキュリティ機能を強化する予定。まず,各製品ともに,無線LAN認証セキュリティ規格であるWPA(Wi-Fi protected access)に無償でアップグレードできるようにする。「エンドユーザーが勝手に立ち上げたAPを検知する機能やSSH(secure shell)によるログイン機能を追加するなど,セキュリティ面をさらに強化する」(プロキシムの進藤資訓技術部長)。

 秋以降には,APをリモートで集中管理するための管理ソフト「ORiNOCO Wireless Network Manager」を11gに対応させる。

 ディアイティは,11g対応で高速化ニーズを満たし,一般消費者向け製品にはないセキュリティや管理機能を強化することで,企業向けの無線LAN製品市場で優位に立つ考え。

(白井 良=日経コミュニケーション)