オンライン専業銀行のジャパンネット銀行のシステムが20日の午後2時43分,またダウンした。残高照会や振込みなどすべてのサービスが利用できなくなった。パソコンやブラウザフォン経由のインターネット,一般回線によるダイアルアップ,提携ATM(現金預け払い機)などすべての通信手段が使えなくなった。

 同銀行のシステムがダウンしたのは,これで3度目。ただし,今回は回復までの時間は短かった。17分後の午後3時に復旧した。5月8日に起きた前回のトラブルでは,22時間サービスが利用できない状態が続いた。

 トラブルの発生個所は前回と同じだが,今回はバックアップがうまく働いた。具体的には,普段使っている現用系データベース(DB)・サーバーのハードウエアが故障し,待機系のDBサーバーに切り替わった。

 前回のシステム・ダウンは,DBを管理するソフトウエアにバグがあったことで起こった。DBファイルの一部に,不整合をもたらすデータが書き込まれてしまったのである。これによって,現用系のDBサーバーがダウン。切り替え先の待機系DBサーバーも,同じDBファイルを参照していたため切り替え後に処理を継続できなかった。

 不整合を引き起こしたソフトウエアのバグは修正されており,今回はうまく待機系に切り替えられた。「現用系から待機系への切り替えは,マシンの再起動などで通常15分から20分程度を想定している」(企画部)という。

 なお,4月28日と30日に起きた最初のトラブルでは,パソコンによるインターネット経由の接続がつながりにくくなった。同行とインターネットを結ぶ通信回線の容量が足りなくなったのが原因で,回線容量アップで対応済みである。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)