政府のIT(情報技術)戦略本部は5月15日,日本の情報化を促進する国家戦略である「IT基本戦略II」の草案を公表した。2000年11月に第1版を策定して以来,2年半ぶりの改定となる。

 IT基本戦略IIでは,第1版で掲げた「5年以内に3000万世帯に高速インターネット環境を整備」などの情報インフラ整備の目標を,ほぼ達成しつつあると評価。整備が進んだインフラを,医療,中小企業金融,行政サービスなどの7分野で積極的に活用することを重点的な目標に据えた。例えば医療分野では,電子化したカルテのデータをネットワークを介して複数の病院間で共有できる仕組みの実現を目指す。

 IT戦略本部は,情報インフラの整備を今後も促進するとしている。具体的には,無線インターネットの整備を促進し,いつでもどこでもネットワークにつながる「ユビキタス・ネットワーク環境」を広げることなどを目標に掲げている。

 今回公表された「IT基本戦略II」は,パブリック・コメントを受け付ける。問題がなければ6月中にも正式決定される見通し。

(島津 忠承=日経コミュニケーション)