セキュリティ機器ベンダー大手の米ソニックウォールは5月14日,無線LANアクセス・ポイント(AP)を内蔵したファイアウォール専用装置の新製品「SonicWALL SOHO TZW」を発表した。出荷開始は6月中旬。価格は19万8000円で,SOHO(small office,home office)や小規模事業所への導入を見込む。設定画面は日本語対応になっている。

 SOHO TZWは,WAN側とLAN側それぞれに,10M/100M自動認識ポートを1つずつ搭載する。最大スループットは75Mビット/秒。VPN通信機能も備える。無線LAN機能は,周波数帯に2.4GHz帯を利用し,最大伝送速度が11Mビット/秒の無線LAN規格IEEE802.11b(11b)に対応する。11bと同じ周波数帯を利用するIEEE802.11gは,標準化後に対応を検討するという。

 無線LAN部分のセキュリティは,無線LANの業界団体であるWi-Fiが策定したWPA(Wi-Fi protected access)でなく,IPsec(IP security protocol)を使う点が特徴。無線LANを利用するユーザーは,端末にVPNクライアント・ソフトをインストールし,端末とAPとの間にIPsecのトンネルをはる。IPsecの暗号化方式には3DES(data encryption standard)を利用する。

 ただし,VPNクライアント・ソフトのライセンスは別売りで,1ユーザー1万2000円。10ユーザーと50ユーザー,100ユーザーのパッケージがあり,それぞれ4万5000円,8万円,14万円となっている。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション)