オンライン専業のジャパンネット銀行で,ユーザーによる残高照会や振り込みなど,サービスが全面的に利用できない状態が続いている。パソコンやブラウザフォン経由のインターネット,電話,提携ATMのすべての手段が使えない。

 5月8日の午後6時15分から全面的に利用できなくなり,9日の午後2時時点でも復旧していない。当初「9日午前中には復旧する見込み」(企画部)としていたが,正午には「9日午後3時までに復旧できない可能性がある」(同)と訂正がなされた。本格的な復旧は週明けにずれ込むものと見られる。

 金曜3時までに復旧できないと,それ以後の振込みは週明けの処理となってしまう。サービスが復旧するまでは,三井住友銀行本支店の窓口で振込みや10万円までの引き出しに応じるという。

 原因については,「データベース・サーバーに障害が出た事実をほぼ特定している」(企画部)という。同社はデータベース(DB)サーバーを,メイン(神奈川県大和市)とサブ(兵庫県明石市)の2カ所に設置。ほぼリアルタイムで,両サーバーの情報を複製して更新する。今回は,このDBサーバー内のデータを複製しているソフトウエア・モジュールに障害が起きた模様。ただ障害を引き起こした元々の原因については不明。預金データなどの情報に関しては「データベースに問題ない。復旧後は従来どおり取引できる」(同)としている。

 なお,ジャパンネット銀行は4月28日,30日にもサービス障害を起こしている。その際は,パソコンからインターネット接続する場合のみつながりにくい状態が続いた。通信回線の容量が足りなくなったのが原因だという。「利用者の増加に伴い,5月3日から5日の間で回線を増強しようとしていた。ただ,その直前にアクセスが集中してしまい,つながりにくい状態になった。今回のDBサーバーの障害とは関係ない」(企画部)という。

 ジャパンネット銀行は,日本初のオンライン専業銀行として2000年9月に設立。同年10月にサービスを開始した。2003年3月末の口座数は約65万。株主は三井住友銀行,富士通,日本生命保険など。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)