米ラスベガスで開催中の「Networld+Interop 2003 Las Vegas」(N+I)のセキュリティ・ゾーンの中央部に,「SSL-VPNホットスポット」がある(写真)。これは,SSL-VPNの専用装置を販売するベンダーが集まって開設したもので,それぞれの製品を体験できるコーナー。セキュリティ・ゾーンに立ち寄った来場者の目を引くためか,常時人が詰めかけている状態である。

 SSL-VPNは,Webブラウザが標準で搭載しているSSL(secure socket layer)を利用して,リモート環境から社内ネットのVPN(仮想閉域網)へ接続する技術。クライアント・ソフトのインストールが必要なIPsec(IP security protocol)と異なり,端末側はWebブラウザさへあれば通信できる。

 このため,自宅から社内イントラネットにアクセスするなどのリモート・アクセス用に,IPsecではなくSSL-VPNを採用するユーザーが今後増えると予想されている。米国では急速に市場が立ち上がりつつあり,既に十数社が専用装置を開発・販売している。

 参加企業は,ホットスポット主催者のアベンテイルのほか,アレイ・ネットワークス,AT&T,セイフウェブ,ネットスケーラー(以上米国),アスペル(英国),ノーテル・ネットワークス(カナダ)の合計7社。AT&Tは製品を開発していないが,アベンテイルの製品と通信サービスを組み合わせたパッケージ・サービスを提供しているため,ホットスポットに参加した。

 新たな市場開拓を目的に,新旧機器ベンダーが力を合わせて“集結”した--かと思いきや,「自社ブースは別に作った。商売に直結しないホットスポットへの参加は,コストがかかるので見送った」(大手SSL-VPN機器ベンダー)という冷めた声も聞かれた。各社の思惑は様々なようだ。

(宗像 誠之=米ラスベガス発)

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