KDDIは3月28日,CDMA2000 1xをベースにしたパケット通信規格「1xEV-DO」によるデータ通信サービスを,4月末から10月まで試験提供すると発表した。第3世代携帯電話サービス用に割り当てられた2GHz帯を利用し,基地局から端末への下り方向で最大2.4Mビット/秒,平均600k~800kビット/秒の通信を実現する。試験を通じてシステムや端末の設計を最適化するとともにユーザー・ニーズを把握し,10月以降に予定している本サービスに反映させる。

 試験サービスではモニター500人を募り,2GHz帯の1xEV-DOに対応した無線モデム「DO-BOX」(京セラ製)を貸与する(写真)。モニターはこれをノート・パソコンなどにケーブル接続して,インターネット接続サービス「DION」にアクセスする。試験期間中は,基本料,パケット通信料,インターネット接続料,端末代金などがすべて無料となる。サービス・エリアは千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・台東区・渋谷区・品川区・目黒区・豊島区・中野区・板橋区・北区・荒川区・墨田区の東京15区内に限られる。

 KDDIは2GHz帯サービスの適用領域として,パソコンを使うモバイル・コンピューティングや家庭のブロードバンド・アクセスを想定している。一方,同社はCDMA2000 1x携帯電話で利用している800MHz帯でも,2003年秋をめどに東京・名古屋・大阪で1xEV-DOを導入する計画。こちらは主に,携帯電話機によるブラウザフォン・サービスの無線インフラとして活用する方針である。

(高槻 芳=日経コミュニケーション)