NTTドコモは3月26日,腕時計型のPHS端末「WRISTOMO」(リストモ)を開発したと発表した(写真)。4月以降から専用のWebサイトで,まず5000台を販売する。価格は5万円以下になる見込み。

 WRISTOMOは,手首を表す「WRIST」と「MOBILE」を組み合わせた造語。商用機としては初の腕時計型の電話機となる。腕に装着した状態で着信を待受ける。着信を受けると,ディスプレイの上下にある開閉ボタンを押して腕から脱着。通話できるハンドセット状態に切り替えられる。製造メーカーはセイコーインスツルメンツ。連続通話時間約120分,連続待ち受け時間は約200時間。

 搭載する機能は,一般の通話のほか(1)電子メール,(2)Web閲覧,(3)パソコンとのデータ同期--である。(1)は最大全角3000文字の電子メールの送受信が可能。(2)は,最大64kビット/秒でiモード対応のWebサイトなどが閲覧できる。通信には,NTTドコモのパケット通信サービス「mopera」を利用する。(3)は,PHSデータ通信または専用のケーブルでパソコンと接続して,予定表や住所録などのデータを同期できる。ただし,パソコンのデータ通信をするためには利用できない。

 電話機をPHSにした大きな理由は,「消費電力がPDCやFOMAに比べて小さく,待ち受け時間や通話時間を考慮するとベストだった」(NTTドコモの入鹿山剛堂・MMターミナル開発部CtoC端末開発第二担当課長)。今後の販売展開については,商品の売れ行きを見て判断する計画だ。