厚木伊勢原ケーブルネットワークは帯域保証型のCATVインターネット・サービスを開始する。まず6月に個人ユーザー向けに下り10Mビット/秒,上り1Mビット/秒を保証するサービスを開始する。月額利用料金は4980円。下り40Mビット/秒のサービスも検討している。

 CATV事業者向けの通信機器を開発する米アドベント・ネットワークスの「Ultraband」を導入することで実現する。ネットワークとしては,CATVの局側からユーザー宅の近くまでは光ファイバを使い,ユーザー宅への引き込みに同軸ケーブルを使うHFC(hybrid fiber coax)の形態を採る。

 大部分のCATVインターネットではLANで使われるイーサネットなどと同様,帯域を複数のユーザーが共有する。同時にデータを伝送しているユーザーがいると速度が落ちる。これに対してUltrabandは伝送速度を保証するため,ユーザーが時分割でデータを送受信する。一つのタイムスロットで下り5Mビット/秒の伝送速度を確保できる。厚木伊勢原ケーブルネットワークは各ユーザーにタイムスロットを二つずつ割り当てることで,下り10Mビット/秒を保証する。

 アドベントの国内代理店である三菱商事によると「Ultrabandの導入は国内では初めて。トーカイ・ブロードバンド・コミュニケーションズ系列の厚木伊勢原ケーブルネットワークのほか,他の同社系列CATV事業者への導入が決まっている。今後国内300程度のCATV事業者に導入したい」という。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)