米シスコ・システムズは3月20日,SOHO,家庭向けネットワーク機器開発/販売の米リンクシス・グループを買収すると発表した。シスコは約5億ドルの普通株式を発行し,リンクシスの株式と交換する。買収作業は7月までに完了させる予定で,リンクシスはシスコの1部門となる。

 リンクシスは2万円以下の低価格なブロードバンド・ルーターやスイッチ,無線LAN機器に力を入れている。最近は特に2.4GHz帯を使った最大伝送速度54Mビット/秒の無線LAN規格「IEEE802.11g」に準拠した製品への取り組みを強化している。シスコは「一般家庭へのブロードバンド回線の導入によって,家庭向けネットワーク機器の市場が拡大している。リンクシスの買収は高成長な分野に徹底的に取り組む戦略の一環」(ジョン・チェンバース社長兼CEO)としてコンシューマ市場の開拓に期待を寄せる。買収後もリンクシスのブランド「Linksys」を使って販売していく。

 なお,日本法人リンクシス・ジャパンは米リンクシス・グループの100%子会社である。米本社の買収にともない日本法人もシスコの傘下に入る見込み。日本法人の販売チャネルに関しては「現在開拓している最中である。傘下に入ったとしても,シスコとは別のチャネルとなる見込み」(中林千晴社長)だという。現在のところ,同社の製品はWebサイトでの直販と九十九電機の店頭で購入できる。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション)