NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は3月17日,新事業ビジョン「グローバルIPソリューションカンパニー」を発表した。これまで提供してきたIP関連の通信サービスに加えて,IPネットワークを生かしたサービスやシステムの開発・提供に注力する。現在の3500億円程度のこれらIP関連事業の売上規模を,3年後に7000億円に倍増させる計画だ。

 新たな事業ビジョンの柱は,(1)ソリューション,(2)ネットワーク・マネージメント(ユビキタス),(3)セキュリティ,(4)グローバル--の四つ。具体的には,端末の多様化に対応したプラットフォームの構築・運用・管理,こうしたプラットフォームを安全に利用するためのセキュリティの確保,世界規模でのネットワーク構築など。さらに,これらを一括したソリューション・サービスを提供する。

 しかし,「ソリューション・サービスの提供に関して言えば単独では力不足」(NTTコムの鈴木正誠社長)。そこでNTTコムは,主にネットワークやシステムのアウトソーシング・サービスを手がける米EDSと協業していく。今後,他のSIベンダーなどとも,協業パートナーとして手を組んでいく考えである。

 NTTコムは2000年度から2003年にかけて,従来までの電話を中心とした事業形態から,インターネット接続サービスの「OCN」やIP-VPNサービスの「Arcstar IP-VPN」などIPをベースにした通信サービスを中心とする事業形態へと転換を進めてきた。今回の新事業ビジョンは,これに続く3カ年計画となる。

(加藤 慶信=日経コミュニケーション)