中部電力は4月16日,FTTH(fiber to the home)サービスの新メニューを名古屋市内で開始する。サービス名は「アクセスコミュファ」。NTT東西地域会社が提供中の「Bフレッツ」と同様にアクセス回線だけのサービスで,インターネット接続事業者(プロバイダ)を選べるのが特徴。中部電力は,月額料金と初期費用をNTT西日本より安く設定して加入者増を狙う。これまでも名古屋は,東日本に比べてFTTHサービス料金が安かったが,新メニューの登場でさらに加入者獲得競争が激化しそうだ。

 アクセスコミュファには,一戸建て向けの「アクセスコミュファ・ホーム」,集合住宅向けの「同・マンションV」,「同・マンションL」,企業向けの「アクセスコミュファ・オフィス」の4種類がある。それぞれ料金が異なるが,いずれもNTT西日本のBフレッツより安く設定した。例えば,アクセスコミュファ・ホームでは,配線使用料や端末使用料を含めて月額料金を4000円,初期費用を2万5000円に設定。一方,NTT西日本の一戸建て向けサービス「Bフレッツ ファミリー100タイプ」は月額料金が5400円,初期費用が2万7900円である。

 アクセスコミュファを利用するには,別途インターネット接続事業者(プロバイダ)のサービスに加入する必要がある。NECとソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)が,対応を表明した。NECとSCNは,アクセスコミュファ向けのメニューで月額料金を2900円に設定。ユーザーが支払う月額料金は合計で6900円となる。

 このほか中部電力は,インターネット接続サービスとFTTH回線を組み合わせたサービス「コミュファ」シリーズを提供中。一戸建て向けのメニューの料金は,月5800円と月6500円である。中部電力は,「自社のメニューに加えて,コンテンツなどを持つプロバイダを選べるアクセス回線サービスを提供することで加入者を増やす」考えだ。

(中川 ヒロミ=日経コミュニケーション)