NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は,iモード対応携帯電話機による情報配信サービス「モバイルウィング」を12日から順次開始すると正式に発表した。NTTドコモが2002年1月に発表したiモード解放策に基づく,NTTコム独自のポータル・サービスである。

 モバイルウィングでは,iモード端末からNTTドコモのパケット網を経由し,NTTコムのゲートウエイ・サーバーに直接アクセスして利用する形態になる。あらかじめiモード携帯電話の接続先サーバーなどの設定を切り替えておくと,ユーザーがiモードの公式ポータル・サイトを利用するためのメニュー「iMenu」を選んだ際に,NTTコムの独自ポータルを最初に表示する。

 NTTコムは当面,ポータル・サイト上で2種類のサービス・メニューを提供する。(1)ユーザーが通信料無料でコンテンツを利用できる「OCNパケットフリーサービス」,(2)外出先から携帯電話を操作して,家庭内のビデオデッキなど家電を遠隔操作できる「OCNモバイルコントロール」--である。

 (1)は,通常はユーザーにかかるパケット通信料を,コンテンツ・プロバイダ(CP)や携帯電話へ広告を配信したい企業などが肩代わりするというもの。3月12日から開始する。iモード端末ユーザーであれば誰でも,月額利用料やパケット通信料を支払わずに利用できる。

 CP側にかかる利用料は,月額基本料が1000円,パケット通信料が1パケット(128バイト)につき0.4円とした。例えば携帯電話でのアンケート収集や広告の配信,カスタマ・サポートなどの用途を想定している。

 (2)は,パソコンとUSB(universal serial bus)接続して使う周辺機器「OCN.BEE」(OCNドットビー)とiモード対応携帯電話を組み合わせて実現するサービス。NTTコムのインターネット接続サービス「OCN」の契約者を対象に,3月25日から開始する。

 OCN.BEEはディジタル・カメラや赤外線リモコンを内蔵している。外出先からiモード携帯電話を操作して,カメラで室内の様子を確認したり,赤外線リモコンでビデオデッキの録画予約や照明器具のON/OFFなどの遠隔操作できる。利用料は月額300円で,パケット通信料が別途かかる。OCN.BEEの価格は1万9800円(4月末までに利用を申し込んだ場合は5980円)である。

 NTTコムはこのほか,有料の公式コンテンツを集めてポータル・サイト上で公開する予定。NTTドコモのiモード解放策に盛り込まれていた電子メールの送受信サービスについても,ユーザーのニーズがあれば検討していく方針だ。