IDS(不正侵入検知システム)機器を販売する米ソースファイアは3月7日,IDSアプライアンス製品の「Sourcefire Sensor」と「Sourcefire Consol」を日本国内で発売した。ソースファイアは,オープンソースとして提供されるIDSソフトの「Open Snort IDS」の開発者であるマーティン・ロッシュ氏が2001年に設立。無償で提供するsnortに,最適化したハードウエアと保守サポートをセットにして,企業ユーザーへの展開を狙っている。米国では,販売開始後1年で,300台以上を導入したという。

 snortは98年に最初のバージョンが公開され,現在までにダウンロード回数が60万件を越えている。新しくぜい弱性が発見されると,snortユーザーのコミュニティが,攻撃を検知するためのパターン・ファイル(シグネチャ)をいち早く更新する。多くのIDS製品が,このシグネチャを利用するためのプラグインを用意している。

 ソースファイアには,オープンソース版のsnortの開発者が多く在籍する。追加のシグネチャを作成した際には,アプライアンス製品で稼働するかを確認した上で,いち早くユーザーに提供できる。「ソースファイアが独自に改良したシグネチャは,オープンソース版にもフィードバックして,共存させる」(ソースファイアのアレン・メイル副社長)という。

 ネットワーク上に設置して侵入を検知するSensorは,スループットが22Mビット/秒の95万円から,1Gビット/秒の375万円までの4種類を販売する。複数Sensorを統合管理に扱うConsolは260万円から。Sensorを単独で利用する場合には不要である。

(山根 小雪=日経コミュニケーション)