総務省は2月12日,国内のxDSL(digital subscriber line)回線数が1月末時点で611万9883に達したことを明らかにした。2002年12月末時点に比べ,47万4155回線の増加となった。1カ月の伸びが50万回線を越えた2002年12月には届かなかったものの,増加ペースは衰えていない。

 事業者別では,ソフトバンクBB(旧BBテクノロジー)の勢いが続く。同社のADSL(asymmetric DSL)サービス「Yahoo! BB」は2002年12月末の169万1000回線から28万1000増やし,197万2000回線となった。単月の加入者シェアは59.3%で他事業者を圧倒している。なお,2月3日にはYahoo! BBの加入者が200万を突破した。

 NTT東西地域会社の累積加入者数は,1カ月で12万1242回線増えて225万7514回線。このうち,2003年1月のユーザー増加数は,NTT東日本が6万7204,NTT西日本が5万4038。それぞれの単月シェアは約14%,約11%となっており,いずれも2002年12月の単月シェア約20%(NTT東日本),約15%(NTT西日本)よりも下がった。

 ADSLサービスの事業者間のシェア争いは今年に入って競争が激化している。NTT東日本は,2003年2月から「2カ月無料キャンペーン」を開始し,ソフトバンクBBを追撃する。ソフトバンクBBも,無料キャンペーンの期間を4月末まで延長し,さらに2カ月間出張サポートを無料にするなど対抗策を打ち出している。こうした動きを受けて,ADSLユーザーの増加は当分続きそうだ。

(蛯谷 敏=日経コミュニケーション)