電気通信事業者協会は1月10日,2002年12月末時点の携帯電話ユーザー数を発表した。総数は7351万4100。12月単月で見ると,au(KDDIと沖縄セルラー電話)のCDMA2000方式の第3世代携帯電話(3G)の大躍進が目立つ。一方,NTTドコモの3Gサービス「FOMA」は依然,低迷気味だ。

 auは2002年12月に,3Gユーザー数を77万5900増やした。これで12月末時点の累計ユーザー数は467万3500。今後もこのペースを維持できれば,auが2003年3月末時点の目標値として掲げる累計700万突破は確実となった。

 これに対し,NTTドコモのW-CDMA方式のFOMAは,12月も低迷が続いた。月間増加数は3000で,累計ユーザー数は15万2000に留まった。ドコモは12月中にFOMA端末の新製品を2機種投入する予定だったが,2003年1月以降に発売を延期。このままでは,2003年3月末時点の目標値である累計32万は,実現が難しいと見られる。

 2002年12月20日からW-CDMA方式で3Gサービス「Vodafone Global Standard」(VGS)を開始したJ-フォンは,まず1200ユーザーを獲得した。ただし,J-フォンはVGSを「3Gサービスと国際ローミング・サービスの総称」と位置付けており,1200という数値は国際ローミング・サービスだけを使うユーザーも含む。J-フォンは数値の内訳を明らかにしていない。

 このように3Gサービス市場ではauが獲得ユーザー数で他事業者を圧倒したが,現行方式を含めた携帯電話サービス市場全体では状況が異なる。2002年12月は,NTTドコモが他を大きくリードした。70万5400の月間増加数のうち,55.7%をドコモが獲得した。

 具体的には,ドコモはユーザー数を39万3000増やし,累計ユーザー数を4287万4000に伸ばした。auは15万6900増で累計1346万7900,J-フォンは16万300増で累計1332万2800,ツーカーが4900減で累計384万9400だった。この結果,2002年12月末時点の携帯電話ユーザーの総数は 7351万4100に達した。