NTT東西地域会社は12月20日,ADSL(asymmetric digital subscriber line)サービス「フレッツ・ADSL」と,FTTH(fiber to the home)サービス「Bフレッツ」のユーザー向けに,IP電話に対応した宅内装置を投入すると正式発表した。東西NTT自身はIP電話サービスを提供しないが,フレッツを利用するインターネット接続事業者(プロバイダ)が,この宅内装置を利用してユーザーにサービスを提供できるようになる。プロバイダなどへの技術情報開示を経て,2003年3月にユーザーへの提供を始める計画だ。

 NTT東西がユーザーに提供するのは,通常の電話機に接続して利用し,音声をIPパケット化する「VoIP(voice over IP)ゲートウェイ」と呼ぶ装置。呼制御には,多くのIP電話事業者やプロバイダが採用に動いているSIP(session initiation protocol)を採用する。単体の装置(アダプタ型)のほか,ルーターとの一体型,モデムとの一体型の三つの形態を検討している。ユーザーにはレンタルでの提供のほか,売り切りも検討中という。

 2002年秋以降,先行するソフトバンク・グループの「BBフォン」を追う形で,プロバイダ各社が相次いでブロードバンド回線を使ったIP電話への参入を表明している。一方,ADSL事業者ではイー・アクセスが対応装置の投入を表明しており,東西NTTの対応が出方が注目されていた。

(玄 忠雄=日経コミュニケーション)