J-フォンとNTTドコモの第3世代携帯電話(3G)端末の間で,相互にテレビ電話の利用が可能であることが明らかになった。J-フォンは12月3日に,3Gサービス「Vodafone Global Standard」(VGS)を12月20日から開始すると発表。その際は「(同じW-CDMA規格ではあるが)ドコモの3G端末とはテレビ電話ができない」と明らかにしていた。

 J-フォンは,「あの時はまだ,商用化へ向けて端末もネットワークも調整作業の最中であり,実際接続できなかった。サービス開始までに改善できる保証はなかったので,ユーザーが混乱しないように『できない』と説明した」とする。12月3日以降調整が進み,ドコモが発売中のテレビ電話対応3G端末との接続が可能になったという。

 J-フォンは,12月20日から直営店と支社の一部で,VGS向け端末の第1弾としてテレビ電話機能付き端末「V-N701」(NEC製)の発売を開始した。さらに,12月下旬以降にテレビ電話機能を持つVGS端末の第2弾「V-SA701」(三洋テレコミュニケーションズ製)を発売する。

 一方,ドコモは3Gサービス「FOMA」向けに,「P2101V」(松下通信工業製),「D2101V」(三菱電機製),「SH2101V」(シャープ製),「T2101V」(東芝製)の4機種のテレビ電話機能付き端末を提供中。これらドコモ製品同士では,ドコモ自身が出荷前にテレビ電話機能の相互接続性を確認している。

 VGSもFOMAも,テレビ電話機能を実現するために「3G-324M」と呼ぶ規格を採用。3G-324Mは,映像符号化方式と音声符号化方式,映像と音声の多重化方式を規定する。ただし,規格自体は細かな実装手法までは定めていないため,異なる製品間で相互接続性を確保するには,事業者や端末ベンダーの調整作業が必要である。

 J-フォンもドコモも,自社ブランドの端末については自ら相互接続テストを実施している。J-フォンは今回,発売済みのドコモ端末との相互接続性をテストした。一方,ドコモは「VGS端末との接続テストを自ら実施するかどうかは,VGSサービスがスタートしてから決める」考えである。

(杉山 泰一=日経コミュニケーション)