NTT東日本の全額出資子会社であるNTT-MEは,インターネット接続事業者(プロバイダ)を対象にしたIP電話サービスの卸事業に参入する。既に法人向けサービスを自社で提供しているが,個人向けはプロバイダからIP電話の中継業務や「050」番号の発行・管理業務を請け負う。

 IP電話の卸事業は,既にKDDIや日本テレコム,東京通信ネットワーク(TTNet)のグループや,フュージョン・コミュニケーションズ,NTTコミュニケーションズが名乗りを挙げており,プロバイダの囲い込みで競い合っている。サービスの卸価格もユーザーの通話料金が3分7.5~8.5円となる水準でしのぎを削っており,NTT-MEも「他社と競争できる卸料金を打ち出す」(桑原英治・次世代ネットワーク事業部長)構えだ。

 NTT-MEは既に,法人向けのIP電話サービス「XePhionコールPro」を12月3日から始めている。NTT東西地域会社の提供するADSL(asymmetric digital subscriber line)「フレッツ・ADSL」やFTTH(fiber to the home)「Bフレッツ」をアクセス回線として利用。「050」で始まる11けたのIP電話専用番号が利用できるほか,同社従来のサービスの通話料3分20円を,同10円に引き下げた。

(玄 忠雄=日経コミュニケーション)