モバイルインターネットサービス(MIS)は12月5日,無線LAN技術を使った公衆インターネット接続サービス「Genuine」を12月末で休止すると発表した。4月に日本初となる無線LANアクセスの商用サービスを始めたMISだが,加入者の伸び悩みに苦戦を強いられた。結果,サービス開始から8カ月足らずでの撤退となった。

 Genuineへのサービスの新規加入受け付けは12月5日付けで停止。加入者には年末までに解約手続きをとってもらう方針だ。解約の際に,月ごとの「モバイルプラン」の契約者には,事務手数料2000円を全額返金する。また,年間契約となる「年間モバイルプラン」の契約者には,事務手数料のほかに加入申し込みから解約前月までの期間の料金を月割りで計算し,残額を返却する。

 Genuineに利用していたインフラは,利用率の低かった基地局を中心に停止。残りはVoIPサービスの実証実験用に運用を続ける。契約を解約しなかったユーザーは,サービス休止後もこの実験用のインフラを無料で利用できる。

 MISは,「移動通信でのVoIPサービスが普及しそうなタイミングで,サービスを再開したい」としている。このため,当分会社は存続させる。

(野沢 哲生=日経コミュニケーション)